ひまわりを通してエコに取り組む町・佐用町
レポーター:枝光 弘味
取材日:2016年8月9日(火)
活動場所:佐用町 商工観光課 商工振興室
取材対象:本種 浩茂様
住 所:兵庫県佐用郡佐用町佐用2611番地1
佐用郡佐用町で、毎年夏に一般公開されている「ひまわり畑」があることを知り、取材に行きました。
【ひまわりの町・佐用町】
この地域では1990年から27年間、ひまわりを栽培しています。毎年7月上旬から8月上旬にかけ町内6地区で時期・地区をずらし合計約23ha、約120万本が開花。テレビや雑誌、新聞などにも取り上げられ、2015年度には45日間で約12万人が訪れました。黄色一面に広がる光景は「わあ~っ」と思わず声をあげそうになります。私が訪れたのは西下野地区。日本名水百選である千種川に架かる橋、緑の山、青空と3つの魅力を背景にしたひまわりが絵になる場所でした。
【ひまわり畑の歴史】
取材に訪れるまで、町おこしで「ひまわり畑」が始まったものと思っていました。実は、ほ場整備事業の夏施工により農地遊休化を避けたいと地元農家の要望が契機となり、農協と町が景観形成のためにひまわり栽培を提案、地域住民が受け入れた結果、現在のような事業へと繋がったそうです。
【種子まで活用】
佐用町のひまわりは無農薬有機栽培。鑑賞後は、枯れた花から種子を収穫し、南光ひまわり館にある搾油機で搾油、ひまわり油として加工―販売されています。また業務用として町内の給食施設などでも使用されています。ひまわり油の優れた特徴は、コレステロールゼロ、ビタミンEとオレイン酸が豊富なところ。日本ではサラダオイルが主流ですが、イタリアやフランスでは一般的な油としてひまわり油が使われています。ひまわりの種類は世界で100以上あると言われていますが、佐用町ひまわりの品種は、搾油用で「春りん蔵(63N82)」だとか。
【考察】
遊休農地の活用からはじまったひまわりの栽培が、町の観光資源になり鑑賞後に種子から油へと加工する取り組みが素敵だなと思いました。このようにひまわりを通して環境に配慮、また資源を有効活用することで経済の発展を促していく形は、理想的なエコであると感じました。