むらさきの風香る丘「ラベンダーパーク多可」
レポーター:枝光 弘味
兵庫県多可郡多可町に西日本最大級のラベンダー園があると知り、取材に行きました。
【ラベンダーパーク多可が設立されるまでの経緯】
「ラベンダーパーク多可」は総面積5ha(内ラベンダー園3.5ha)。植栽数約3万本と西日本最大級のラベンダー園です。ここは古くから存在していた訳ではなく設立されてから今年で8年。準備に要した期間を含めると10年目になるそうです。
加美区周辺は元々、農林業が盛んな地域でした。地域住民の高齢化・近年の時代変化により、かつての勢いが失われつつある状況で、地域住民より、新たな地域の取り組みとして「ラベンダー」を栽培し、地域活性化に繋げようではないか、という提案が出ました。寒冷地という気候がラベンダーの栽培に適していたからです。かつては、スギ、ヒノキの人工林や雑木林地だった場所。地域住民の手で荒地の石拾い、草引きなどをして土壌をつくり、ラベンダーの植栽をしました。「ラベンダー」を合言葉に、婦人会・老人会など村組織からスタートした活動は、最終的にのべ数千人規模の地域ボランティアに広がっています。現在は、紫一面に広がるラベンダー園(開花季節5~7月)も、こういった長年に渡る苦労があったのです。
【ラベンダーに特化した商品販売】
「ラベンダーパーク多可」では、ラベンダーを観賞用として栽培するだけではなく、それらを加工販売しています。刈取り後、園内の蒸留機で「ラベンダーエッセンシャルオイル」を抽出します。「ラベンダーパーク多可」産のエッセンシャルオイルは、優しいながらもスーッとした清涼感のある個性的な香りが特徴です。園内のショップでは「ラベンダーエッセンシャルオイル」を主に「ラベンダー石けん」「ラベンダー線香」などの商品を販売しています。
【今後の展望】
今年の夏、大型の蒸留機を導入されたそうです。今までは小型の蒸留機で何度も繰り返し採油されていました。来年度にはラベンダーの加工商品を増やし、現在販売している商品のパッケージを統一・高級感を出して百貨店系列のお店等で取り扱いが出来たらいいなとお話されていました。