冷たいのに、優しい ~気になる「夏の六甲山」の取り組み~
レポーター:佐藤 依都果
取材日:2015年8月6日(木)
活動場所:自然体感展望台 六甲枝垂れ、
六甲山カンツリーハウス
取材対象:自然体感展望台 六甲枝垂れ 黒田ちひろ様、
六甲山カンツリーハウス 野口竜太郎様
住 所:神戸市灘区六甲山町五介山1877-9、神戸市灘区六甲山町北六甲4512-98
市街地より5~6度気温が低い六甲山。今回は、まだまだ暑い夏を涼しくする六甲山の自然の魅力に迫るべく、自然体感展望台と真夏にとっておきのイベントに密着しました。
まずは、六甲山の上に突如現れる、大きな樹がコンセプトの自然体感展望台 「六甲枝垂れ」。フレームがとても印象的です。「上にいくほどフレームの幅が狭くなり、裾にいくほど広くなります。また、北側と南側でもフレームの太さが違います」と担当者の黒田ちひろさん。これは、雨が入るのを和らげたり、北からやって来る六甲颪(おろし)の風を衰えさせず、両側に樹氷を観測出来るようにする工夫が施されています。この展望台では、電気を一切使用せず、冬に雨水を溜めて作られた天然の氷と自然の風の力で涼しく過ごす体験が出来ます。風室内温度はなんと20度前後!風室に入ると響き渡る「涼しい~」「気持ち良い~」の声。檜の香りと六甲の涼風の心地よさは、訪れる人々の幸せそうな笑顔を生み出していました。
次に、展望台から展望ペアリフトで移動します。約10分。暑い夏真っ只中、緑の自然の中にキラキラと輝く雪が現れました。六甲山の夏の風物詩「真夏の雪祭り」(第37回)が行われていました。広さ20メートル四方、高さ50センチの会場を取り囲み、今か今かとスコップを持って待ち構える子供達。毎年恒例の「宝探しゲーム」が始まる直前でした。この回では288名の参加者が、お宝を目指して夢中になっていました。「会場の近くに雪を造る機械の場所があり、毎日100トン用意します」と子供に笑顔で接しながら語る担当者の野口竜太郎さん。
普段、市街地ではなかなか感じる事のない自然と人の関わりの素晴らしさ、自然からの学びを感じました。そして、自然の気候を利用して私達の体を“冷たく”し、心も心地よく環境にも“優しい”六甲山に魅了されました。是非、皆さんも体験してみては如何でしょうか。