日本海を「体験」できる施設「竹野スノーケルセンター」
レポーター:北垣 和也
取材日:2016年1月18日(月)
活動場所:竹野スノーケルセンター
取材対象:竹野スノーケルセンター 小崎 富士夫様
住 所:兵庫県豊岡市竹野町切浜字大浦1218
冬の日本海は波が強く、海岸には様々なものが打ち上げられる。毎年、「アオイガイ」という殻を持つタコの仲間の殻が打ち上げられるが、今年は特に多く打ち上げられたと聞いた。アオイガイは南の海から対馬海流に乗って日本海にやってくるが、冬になると死んでしまう。波が強くなると、その殻が打ち上げられる。その殻を見ようと、豊岡市竹野町の大浦海岸にある「竹野スノーケルセンター」を訪れた。ここでは兵庫県の日本海がどんな所か知ることができる。環境省の施設で、山陰海岸国立公園や山陰海岸ジオパークの案内施設である。残念ながら当日は海岸でアオイガイの殻を見つけることはできなかったが、センターの館内で展示されているものを見せていただいた。
【館内の様子】 【アオイガイの殻】
アオイガイを見た後、この施設について、センター長の小崎 富士夫氏からお話を伺った。この施設は館内展示を見るだけでなく、年間を通して様々な体験プログラムが用意されている。主に初夏から秋にかけては、シーカヤックで海をめぐるジオカヌー、センター前の海岸での磯の生き物観察、小学1年生からでも体験できるファミリースノーケルなど。冬でも海岸の漂着物観察会やネイチャークラフトなどが体験できる。冬の日本海は波が強いが、夏になると打って変わってとても穏やかになる。また、水の透明度もよく多くの生物を見ることができる。夏の日本海を知っている人は少ないかもしれない。
【冬はこのように時化になる事が多い】 【夏の同じ場所。とても穏やか】
参加される方は、京阪神地域からが多いとのこと。兵庫県の日本海の様子を初めて見る方が多く、「こんなにたくさん生き物が住んでいるのですか」「沖縄の海と同じくらい水がきれい」といった感想を聞くという。実際、条件がいい時は水深10メートルの底が見える。普段でも水中で5メートル以上は見える。
【初夏から秋にかけてはジオカヌーやスノーケリングが体験できる。】
取材後の所感であるが、ご存知のように、兵庫県は日本海と瀬戸内海・太平洋に面した数少ない県である。よって、多様な自然環境が存在する。私たちは、これらを壊さないよう上手く利用して生活していかなければならない。そのためには、まず「知る」ということが必要になってくる。夏になって海に入れるようになると、兵庫県にもこんなにきれいな海があるということを、実際その目で見て、体験されてみてはいかがだろうか。