有害鳥獣問題と駆除
レポーター:橋本 貴太
取材日:2015年8月9日(日)
活動場所:姫路郊外
取材対象:一般社団法人 兵庫県猟友会姫路支部 都商事、
姫路猟友会 夢咲鹿工房
住 所:兵庫県姫路市神屋町2丁目1番地9、
兵庫県姫路市夢前町山冨
山裾の民家から数メートルの場所で、ところどころ落ち葉が掘り返されている。イノシシがエサを探していた跡だよ、と姫路猟友会の鈴木さんは言う。近年、シカやイノシシが集落に下りて来て農作物を荒らす被害が全国的によく聞かれるようになった。兵庫県も例外ではない。林業の衰退によって手の行き届かない山が増えたことなどが原因で、エサを求めて降りてくるのだそうだ。
農家は自衛策として畑の周りに防護柵やネット、ところによっては電気柵を張って食害対策をしている。取材した地区では、自治会で協力して山裾を囲むように柵を設置していた。これにより害獣が村に直接入って来られないようにしている。しかし、この方法も万全ではない。一度動物がネットや柵に引っかかると、そこがたわんだり切れて穴が空く。すぐに修繕しないと動物がその場所を学習して何度もそこから出入りするようになるのだという。修繕にも費用がかかるため、柵は作ったものの使わなくなってしまうという農家もいるのが現状だそうだ。
姫路猟友会では週に数回10人程度のメンバーが集まり、主に巻狩りという方法でシカ、イノシシを狙った猟を行っている。市町は補助金を出して有害鳥獣の捕獲を姫路猟友会に依頼している。しかし、県が求める頭数を駆除することは容易ではない。近年、猟師の人数が減少し、メンバーも高齢化している。特に若者は猟や銃への理解が無いため、メンバーを増やすのに苦労している。姫路猟友会の橋本さんは、これまでも会の青年部が中心となって行っているPRイベントで猟への理解を広めていきたいという。