自然の猛威 復興に向けて出発
レポーター:鴻谷 佳彦
取材日:2015年9月10日(木)
活動場所:三ツ塚史跡公園
取材対象:丹波市役所 総合政策課 濱野 聖子様
住 所:丹波市市島町上田814
平成26年8月16日、丹波市豪雨災害でお1人の尊い命が奪われ、全壊18棟、大規模半壊9棟、半壊42棟、一部損壊1棟、床上浸水169棟、床下浸水784棟の多数の住宅をはじめ大きな被害を受けました。(平成27年7月31日時点)
1年が経過した今なお、被害を受けた道路や建物、損害を受けた土地の復旧は未だ続いています。丹波市では、8月29・30日の2日間、『復興に向け1年“心つなぐ2days和一処(読み:ワッショイ)”』が開催されました。
イベント劇、丹波市のアマチュア劇団「丹波栗」に始まり、復興を祈願して、丹波市復興シンポジウム前夜祭「Light up TAMBA」が行われました。
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災害写真のパネル展のほか、地元商工会、自治会、大学、飲食店などの飲食ブースが並び、なごみの場となりました。紙袋に自分でメッセージを書いて、中にキャンドルを入れ、オリジナルキャンドルを作成。キャンドルの点灯により、復興への願いとともに丹波市の夜を綺麗に彩ります。
翌日、被災地復興見学ツアーが開催され、被災地をバスで回りました。
豪雨災害により倒壊した家の跡地に建設中の砂防堰堤の見学や、監視中の巨石の下に建設中の砂防堰堤など、今なお、危険と隣り合わせの現状を目の当たりにしました。大きな被害にあわれた株式会社西山酒造場の方からは、「倉庫、事務所ともに浸水し一時約90センチまで浸水しましたが、東北など全国からのボランティア延べ400人が活動し、約3週間で復旧しました。唯一助かったのは、酒の原料の井戸水が濁ることも枯れることもなく出つづけてくれたことでした。」と生の声を聞きました。
その後のフォーラムでは、新潟県中越地震からの復興時に、まちづくりに関わった経験のある長岡造形大学の澤田雅浩先生をコーディネータ-とし、パネルディスカッションが行われました。
新潟県中越地震から復興するうえで抱える問題などが、丹波市と似ているため、丹波氏のパネリストたちの経験、取組みに対して、先生からは実体験を踏まえた意見が述べられるなど、活発な意見交換がなされました。
「森林はコントロールできないものではない。」「現に戦後の活動で(丹波市の森林面積は)55%から75%に増えた。けれど、木があればいいというわけでない。木が根こそぎ抜けて土砂発生ということが丹波市で起きた。」「さらに間伐だけすればいいわけではない。木の高さや健康状態、多様性(針葉樹・広葉樹)、年齢も大切。」「山に定期的に入り、持続的に管理することが大切。」「先を見据え、プランニングし、災害に強い森づくりをする必要がある。」「大学と丹波市との連携事業の活動の基盤を整え、継続していけるようにしたい。ボランティアと難しく考えずに、少しでも自分たちが丹波市にできることは何か考え、長く活動し、双方活性化するようにしたい。」など有意義な意見が活発に出され、会場も大変盛り上がり、地元の方のよさこいソーランで終わりました。
自然の猛威、これからの自分たちのあり方など、参考になる意見を聞くことができ、有意義なフォーラムになりました。
みなさん今後の活動に活かしていければ・・・と思います。