西宮市きのこクラブOB会の活動について
レポーター:岡田 千佳
取材日:2015年10月20日(火)
活動場所:西宮市北山緑化植物園(植物生産研究センター)、西宮市甲山周辺
取材対象:西宮市きのこクラブOB会
住 所:兵庫県西宮市北山町1番1号、兵庫県西宮市甲山町
西宮市のシンボルでもある甲山。きのこクラブOB会では、年間を通して、甲山での樹木ときのこの発生状況の調査や「きのこ展」等を開催し情報発信をしています。また、夙川並木の松や桜の健全化に菌根菌(きのこの仲間)を活用した取り組みを西宮市と協働で行っています。
きのこクラブOB会のメンバーは、西宮市が主催する市民対象講座の「きのこクラブ」で1年間の活動を経験した後、さらに継続して活動をされたいという熱心な人たちで構成されています。今回はそんなメンバーに2日間同行し取材を行いました。
西宮市北山緑化植物園での活動は、植物生産研究センター横にある、「きのこ見本園」の落ち葉掃除や水やり、センター内でのきのこ標本整理等を行いました。センターでは来館客に向け、きのこクラブOB会の活動紹介やきのこ標本の展示を行い情報発信の場となっています。
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【植物生産研究所内の展示の様子】 【甲山のきのこ①】
甲山での定点観察活動は、毎月1~2回実施されており、きのこの発生状況を報告書にメモをしながら甲山をぐるっと一周2km~3kmを歩きます。途中、甲山湿原やモリアオガエルの観察池を経由しながら自然状況も観察します。甲山周辺では約500種類のきのこが確認できるとお聞きしました。同行した日は、それまでの連日の晴天により、土や木の表面が乾燥し、きのこに良くない状況でしたが、約20種のきのこを発見することができました。今秋、甲山は「どんぐりの当たり年」のようで、地面一面に広がるどんぐりが見られ、頭上からどんぐりの直撃を受ける経験もしました。
観察記録の内容から、年によって、きのこの種類や発生場所の違い、現在の甲山の自然環境を知ることができました。きのこクラブOB会では、今後、これまで集めた情報を本にして、多くの方々に甲山やきのこの魅力を伝えていきたいと話されていました。
取材を通して、きのこクラブOB会の活動から、きのこを通して西宮の里山である甲山の魅力を発信しながら、貴重な地域の自然を守ることと、自然観察に少しでも関心を持つ人を増やし生物多様性や地球環境にプラスになればというメンバーの強い思いを感じることができました。
休日、きのこの不思議ワールドが広がる甲山や西宮市北山緑化植物園へ足をのばしてみてはいかがでしょうか?
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【甲山のきのこ②】 【甲山のきのこ③】