運河にきらめく高校生の汗 -尼崎運河の水質調査-
レポーター:東崎 克彦
取材日:2015年8月7日(金)
活動場所:尼崎運河
取材対象:兵庫県立尼崎小田高等学校サイエンスリサーチ科
住 所:兵庫県尼崎市長洲中通2丁目17-46
兵庫県の東部、大阪湾の西端に位置する尼崎。工業都市として名を馳せたこの街では、運河の環境改善に取り組む生徒たちの声が聞こえてきます。
「今底ついた?」「ちゃんと取れてるん」
あんぐり口を開けた銀色の器具を、一人が運河に沈ませ引き上げる。すると、その口は真っ黒のヘドロをくわえて帰ってくる。すかさずもう一人がヘドロを採取するための容器をあてがう。横ではヘドロの様子を五感で読み取り記録する。一人の服にヘドロが飛び跳ねる。
彼らのクラスでは1年間本格的なグループ研究を行うそうで、この班はヘドロの調査を中心とした「尼崎運河の環境改善」をテーマにしています。真夏の炎天下、それも決して綺麗な作業ではないのに、彼らの表情はとても楽しげに思えました。というのも、「ヘドロ」を主題に研究しようと決めたのは先生ではなく生徒たち自身だから、という理由が大きいようです。
「この研究は5年間続いてきたけれど、これからは今までしてこなかったことをしたい」とは引率の先生の話。自らが新しい答えを見つけ出す、という熱意を持って地元の環境改善に貢献しようとする姿には、未来を引っ張っていく力強さを感じました。