黄色いエコサイクルのまち・洲本市大野
レポーター:枝光 弘味
取材日:2017年3月29日(水)
活動場所:洲本市
取材対象:洲本市 農政課 野口拓真様・大野 菜の花ひまわり部会 武本浩己様
住 所:兵庫県洲本市大野133
菜の花やひまわりを種から栽培し、観賞後は種を搾油して加工販売。また家庭から出た廃油を回収し、バイオディーゼル燃料にリサイクルするなど、循環型プロジェクトに取り組んでいるまちへ取材に行きました。
【菜の花とひまわりのまち・洲本市大野】 この地域では休耕田を活用し、春に「菜の花」夏に「ひまわり」を栽培しています。私が訪れた3月末には菜の花が畑一面に咲き、ほんのりハチミツのような甘い香りが漂っていました。時折、駆けまわる子供たちの姿が。今年は15万本の菜の花畑の中に巨大迷路が作られています。黄色一面の光景に、子供たちの黒い頭がヒョコっと見え隠れする様子はなんともいえない可愛らしさがあります。私も迷路にチャレンジしてみると、何度か行き止まりで苦笑い。大人でも楽しめる難易度です。観賞後は、種を収穫し搾油。「なたね油」として市内の飲食店で使用されたり、販売されたりしています。
【菜の花の種類】 菜の花は大きく分類して3種類あるそうです。
1つめは観賞用で、野原や田んぼ等で見かけるもの。2つめは搾油用で、種を搾り食用オイルとして使用します。3つめは食用で、葉が柔らかく大きいのが特徴。天ぷらや、おひたしなどに使用します。大野ではこの3種類を同時に見ることができます。
【バイオディーゼル燃料に再生】 使用済みの植物油を洲本市内全域で回収しています。集められた廃油は酵素の力を活用しバイオディーゼル燃料に再生。この製造方法のメリットは、排水が出ないこと、副産物のグリセリンが路面の凍結防止剤などにリサイクルできることだそうです。走行車を見学させてもらうと、マフラー部分から黒煙が見えず透明色でした。匂いも不快なガス臭でなく、天ぷらオイルのようなこうばしい香りが漂ってきたことにも驚きました。マフラー付近で会話をしても苦にならないほどクリーンな空気に感じました。
【考察】今回の取材で感動したことは「菜の花」と「ひまわり」黄色い花への取り組みが、住民と行政が一緒になってうまく循環していたことです。お互いの得意分野で力を合わせ黄色いエコサイクルのまちを作りあげている、という認識をもちました。今後、洲本市のような取り組みが全国にも広がって欲しいなと思います。