(1)地球温暖化防止活動推進員制度
私たちの日常生活や経済活動により排出された二酸化炭素等の温室効果ガスは、地球全体の気温を上昇させ、異常高温や大雨・干ばつの増加など、様々な気候の変化を引き起こし、さらには、農業への打撃、水不足の一層の悪化、生態系への影響、災害の激化、感染症の増加など、深刻な影響を生じさせることが懸念されています。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書は、「気候システムの温暖化については疑う余地がなく、私たち人間の活動が20世紀半ば以降に観測された温暖化の主な原因であった可能性が極めて高いことや、将来の気候変動の影響を制限するためには、温室効果ガス排出量の大幅かつ持続的な削減が必要であること等を指摘しています。
こうした地球温暖化の問題に全世界で取り組むため、2015年開催されたCOP 21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で全ての国(196カ国・地域)が参加する公平かつ実効的な取り組みとして、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2℃より十分低く保ち、さらに1.5℃に抑えるよう努力することを目標とする「パリ協定」が採択されました。
国は、「パリ協定」の採択を受け、温室効果ガスを2030年度に2013年度比で26.0%削減するという目標を盛り込んだ「地球温暖化対策計画」を決定し、また、将来起こり得る気候変動の影響に備え、対処するため、「気候変動の影響への適応計画」を2015年に決定しました。
これらの動きを受け、本県でも「兵庫県地球温暖化対策推進計画」を2017年に策定しました。国の計画に基づく対策に県独自の対策を上乗せし、国目標を上回る2030年度に2013年度比で26.5%削減を目標に掲げています。また、温室効果ガス削減に資することから、2030年度の再生可能エネルギーの導入目標を70億kwhに設定しています。
本県は、県民・事業者・団体・行政等様々な主体の参画と協働のもと取組を着実に実施することにより、我が国の低炭素社会づくりをリードしていくことを目指しています。
また、各主体の取組を促進するための拠点として、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)に基づき、公益財団法人ひょうご環境創造協会を「兵庫県地球温暖化防止活動推進センター」に指定し、県民の地球温暖化防止の取組を促進する活動に強い熱意と識見、行動力を持った方を募り、「兵庫県地球温暖化防止活動推進員」として委嘱しています。
家庭部門の温室効果ガス排出量が増加傾向にある中で、地域に根ざした普及啓発活動や次世代を担う世代への環境教育を行い、行政と地域住民との架け橋となる地球温暖化防止活動推進員への期待は、今後さらに高まっていくと思われます。